これって脱炭素詐欺? 「プラグインハイブリッド車」のCO2排出量、実際はエンジン車とほぼ同じだった

キーワード :
, ,
欧州でPHVの実走行CO2削減はわずか19%にとどまり、公式値の75%との差は最大4.9倍。2035年規制見直しを控え、PHVの環境性能と市場動向が政策判断の鍵となる。

EUの規制見直し

自動車(画像:Pexels)
自動車(画像:Pexels)

 欧州連合(EU)は2035年に内燃機関(ICE)車の新車販売を事実上禁止する規制の見直しを検討している。電気自動車(EV)の普及が想定より進まず、自動車業界の業績悪化を背景にドイツ政府が議論を主導している。EU内で合意が形成されれば、温暖化対策の大幅な軌道修正となる可能性がある。

 EVへの移行期に注目された選択肢がプラグインハイブリッド車(PHV)である。PHVは二酸化炭素排出量を削減しつつ、EVよりも長距離走行が可能な点で推奨されてきた。

 ICE車よりも排出量が少ないという前提でPHVは推進されてきた。しかし、新たな調査でこの前提が揺らいでいる。PHVの二酸化炭素排出量は実際には

「ICE車とほぼ同程度」

だった。非営利の環境擁護団体「Transport and Environment」が2025年10月16日に発表したレポートによると、PHVのCO2排出量はガソリン車やディーゼル車に比べて

「19%」

しか減少していない。従来の実験室試験ではICE車より75%少ないとされてきたが、実態は大きく異なる。

 同団体の研究者は、2021年から2023年に欧州で登録された自動車80万台の車載燃料消費計データを分析した。その結果、2023年のPHVの実際の排出量は標準化された実験室試験の

「4.9倍」

に達した。2021年の3.5倍から増加している。

「公式排出量は減少している一方で、実世界の排出量は増加しています。この差は拡大しており、深刻な問題です。その結果、PHVの排出量はガソリン車とほぼ同程度になっています」

と、レポートの共著者ソフィア・ナバス・ゴールケ氏は指摘している。

全てのコメントを見る