「完璧主義の呪縛」に捕らわれた日本車メーカー bZ4X開発5年 vs SEAL18か月という現実――構造的遅延を断てるかのか

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EVと自動運転の融合が進む世界市場で、日本は完成車開発に固執し、EV部品自給率10%未満、国内就業人口減少など構造課題に直面する。部品、メンテナンス、知財を再設計し、社会実装単位で競争力を取り戻す戦略が急務である。

変化の速さに耐えられぬ日本の制度疲労

自動車(画像:Pexels)
自動車(画像:Pexels)

 世界の自動車産業は、電動化と自動運転の同時進行、そして両者の融合を前提に動いている。2010年代後半には、テスラ、比亜迪(BYD)、百度、ファーウェイがそれぞれ独自のモビリティOSとAIを確立した。

 テスラに関しては、デジタルトランスフォーメーション、特にAIへの傾斜が過剰だとの指摘もある。しかしその背景には、電動化と自動運転を一体で見据えた戦略があるといえる。

 2020年代に入ると、欧州ではレベル3の自動運転が実用化され、中国ではレベル4が市販段階に入った。これに対し、日本の完成車メーカーは意思決定が遅く、国策・制度・サプライチェーンの変革も追いついていない。

 日本は今、「変化の速さ」に制度が耐えられない国になりつつある。

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