「EV一択」は終了か? ポルシェ5400億円計上の衝撃、米中政策下で露呈した「脱エンジン路線」の限界
欧州でEV販売比率が15.8%にとどまり、中国でも成長が鈍化するなか、ポルシェは5400億円超の損失を計上し計画を見直した。BMWやメルセデスもEV一辺倒から転換し、高級車市場はエンジン車延命と多様化戦略へと動き出している。
欧州EV政策疲弊の現実

欧州が進めてきたEV義務化政策と補助金制度は、限界に近づいている。EUが打ち出したエンジン車販売禁止には、欧州自動車メーカーが強く反発しており、2025年末までに見直される見通しだ。
ドイツでは2024年末まで予定されていたEV補助金プログラムが、2023年12月に突然打ち切られた。これにより、EV需要は急激に減速した。加えて、充電インフラ整備の遅れやバッテリーコストの高止まりも、EVシフトの障壁となっている。一方で、価格が高額な高級EVは補助金の対象外であり、補助金の有無が販売に直接影響を与えることは少なかった。
欧州主要市場での新車販売に占めるEVの割合は15.8%だ。ドイツ、フランス、イギリスでは2割程度を占めるが、イタリアは約5%にとどまる。中国でもEV販売は鈍化しつつある。2025年上半期の販売実績は前年を各月で3割程度上回ったが、7月は12%増にとどまった。世界最大のEVメーカーである比亜迪(BYD)は3か月連続で販売台数が減少しており、米国の追加関税により
「輸出採算が悪化する懸念」
も出始めている。