トヨタの中古車「無展示販売」は成功するか? 中古車全体55万台目標、若者のクルマ離れの歯止めとなるか

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トヨタは2030年までに中古車販売を現状の1.7倍の年55万台に拡大する計画を掲げ、2025年11月から無展示ネット販売を近畿圏で開始。若年層向けに利便性を高め、店舗効率と利益率改善を狙う新戦略である。

ネット販売で顧客拡大

トヨタのロゴマーク(画像:AFP=時事)
トヨタのロゴマーク(画像:AFP=時事)

 トヨタ自動車は、中古車専売店に対抗するため、全国のトヨタ系販売店に中古車シェア拡大を要請している。背景には、新車の納期長期化や価格高騰により、若年層を中心に中古車需要が高まっていることがある。トヨタは2030年までに中古車販売台数を現状の1.7倍となる年55万台に増やす目標を掲げている。

 大阪市に本社を置くトヨタモビリティ新大阪は、中古車販売台数を現在の3~4000台から

「5000台」(25~67%増)

に引き上げる計画だ。中古車販売のテコ入れ策として、2025年11月から無展示販売を開始する。既存の約50店舗は使わず、最大40台をバックヤードに保管し、オンラインで商談を進める方式である。ネット販売の強化により、従来の販売店にはなじみのない新規顧客層の開拓を狙う。

 本稿では、トヨタ系販売店が新たに導入するネット完結型中古車販売が、若者のクルマ離れを食い止める可能性を検証する。さらに、この手法が業界内にどのように波及するかも考察する。

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