トヨタの中古車「無展示販売」は成功するか? 中古車全体55万台目標、若者のクルマ離れの歯止めとなるか

キーワード :
, ,
トヨタは2030年までに中古車販売を現状の1.7倍の年55万台に拡大する計画を掲げ、2025年11月から無展示ネット販売を近畿圏で開始。若年層向けに利便性を高め、店舗効率と利益率改善を狙う新戦略である。

中古車市場の新潮流

携帯電話所有者におけるスマホ比率。調査対象:全国・15~79歳男女(画像:NTTドコモ)
携帯電話所有者におけるスマホ比率。調査対象:全国・15~79歳男女(画像:NTTドコモ)

 携帯電話はひとり当たり1台以上が普及し、スマートフォン(スマホ)はほぼ100%に達している。スマホに慣れ親しんだ若年層にとって、ネット購入は日常的な行動だ。ファッションや化粧品、家電、旅行など、あらゆるモノをネットで購入できる。

 こうした若年層にとって、中古車のネット購入も抵抗感は少ない可能性がある。

「来店不要で時間を節約できる点」

が最大のメリットである。効率的に購入を進められる「タイパ(タイムパフォーマンス)」が重視される層にマッチする。店舗スタッフとの対面交渉を避けたい場合も、オンライン対応は対人ストレスの軽減につながる。さらに全国規模でサービスが展開されれば、検索できる車種の幅が広がり、購入希望車種を探しやすくなる。

 一方、実車を十分に確認できないことによるリスクも存在する。動画配信があっても、中古車特有の個体差は完全には把握できない。

・匂い
・内装の細かなキズ、破れ

などを動画で漏れなく確認するのは難しい。またトラブル発生時のアフター対応に不安を持つ層も一定数いる。若年層にネット購入の抵抗がなくても、こうしたリスクを回避する仕組みが整備されるかどうかが、普及の分岐点となるだろう。

全てのコメントを見る