トヨタの中古車「無展示販売」は成功するか? 中古車全体55万台目標、若者のクルマ離れの歯止めとなるか
トヨタは2030年までに中古車販売を現状の1.7倍の年55万台に拡大する計画を掲げ、2025年11月から無展示ネット販売を近畿圏で開始。若年層向けに利便性を高め、店舗効率と利益率改善を狙う新戦略である。
若年層需要の拡大余地

若年層を中心に中古車需要が高まっている。特に20~30代にとっては、予算面から中古車が現実的な選択肢となる。新車購入はますます遠のき、中古車の存在感は増している。ネット完結型の販売手法は、価格と利便性を重視する若年層に刺さる選択肢となり得る。安くてすぐに使える車が欲しいというニーズにも合致する。
一方で、若者のクルマ離れの本質には、経済的負担の重さや都市部での不要感など、構造的な要因がある。さらに、サブスクリプションやカーシェアリングなど、車を所有しない選択肢の広がりも影響する。かつての「車所有=ステータス」という意識は薄れている。
無展示販売によるネット販売は、中古車市場の拡大余地を残す。しかし、若者のクルマ離れを反転させる決定打となるかは未知数だ。