オーストラリアで「プラグインハイブリッド旋風」 EV販売シェアを奪う大型車需要――市場の新潮流を考える
オーストラリアでPHV販売が急増し、新車の5%を占める状況となった。BEVの伸びが鈍化する中、BYD「Shark 6」などPHVが大型車需要を取り込み、EVシフトの現実的な橋渡しとして存在感を高めている。
大型車需要と電動化

急速に高まったPHV人気は、業界関係者にとっても予想外だったようだ。オーストラリア電気自動車協会(AEVA)ACT支部のベン・エリストン会長は
「EVコミュニティーは少し驚いている」
と述べている。
一方、AEVAのクリス・ジョーンズ会長は、PHVの販売拡大がオーストラリアの排出量削減目標に影響を与えると指摘する。EVの代わりにPHVが売れると、削減されるべき排出量が半減してしまう可能性がある。ジョーンズ会長は
「PHVは過渡期の技術でしたが、今ではBEV販売のブレーキになっていると思います」
と語る。PHV人気がEVシフトの進行を鈍らせているとすれば皮肉な話だ。
さらに、電気自動車協議会の法律政策担当者アマン・ガウル氏は、多くのオーストラリア人がスポーツタイプ多目的車(SUV)やピックアップトラックなどの大型でパワフルな車を望んでいると指摘する。現行のBEVではこの需要を十分に満たせないため、PHVがその空白を埋めている。HVであっても、まったく電動化されていない車よりは優れた選択肢だという。ガウル氏は
「私たちは、国民にどんな車を買うべきかを指図するような国に住んでいるわけではありません。デンマークのように小型車に乗りたいと望む人もいるかもしれませんが、大型車への需要を変えることはできません」
と述べている。