自動車業界、AI準備わずか「20%」という衝撃――次世代SDVと地政学リスクが企業命運を左右するのか?

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グローバル自動車業界は構造変革期に突入した。AI投資は86%の企業が進める一方、準備完了は20%にとどまる。SDVやサプライチェーン再構築、顧客体験統合が、2030年の競争力を左右する。

自動車業界の変革期

自動車(画像:Pexels)
自動車(画像:Pexels)

 KPMGジャパンは2025年9月19日、「第25回 グローバル自動車業界調査」の結果を発表した。世界の自動車業界は、根本的な変化の時期に入ったことが明らかになった。

 今回の調査では、

・メーカー
・部品供給会社
・ディーラー
・モビリティサービス企業
・金融会社

の経営者775人の意見を集めた。25年にわたる調査のなかでも、業界の構造が大きく変わっていることが目立つ。

 調査では、自動車業界の経営者の36%が、

「自社が今後3年以上にわたり、ビジネスモデル・製品・オペレーションの重大な変化を伴う、抜本的な変革期に突入する」

と答えた。

 業界全体の危機感は高まっている。しかし、AIへの投資と変化への準備には大きな差がある。自動車メーカーの86%がAI関連の投資を進めている一方、AIや新しい技術による変化に十分備えられていると答えた経営者は

「20%」

に過ぎない。

 技術への取り組みと実際の準備状況の間には大きなギャップがあり、企業間の差と潜在的なリスクの拡大を示している。

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