EV整備士「月給40万円」超え! 中国で勃発した人材争奪戦、日本でも迫る専門技術者の不足とは
中国で3140万台に達したNEV市場は整備士不足で揺れ、日本も同様の課題に直面する。待遇改善や教育整備を進め、EV整備士の専門化は人材不足を成長機会に変える鍵となる。
高給NEV人材の奪い合い

複数の中国メディアによると、2024年末時点で中国のNEVの保有台数は3140万台に達し、世界最大のEV市場となった。その成長に整備体制が追いつかず、整備専門会社は2万社未満、整備技術者は10万人ほど不足している。
整備士の求人増加は待遇改善に直結している。ガソリン車整備士の月給は約10万~20万円だが、NEV整備士は約16万~30万円。大都市では40万円に達するケースもある。
NEV整備士が高給となる理由は、EV整備に高度な技術が必要なためだ。
・電池管理システムや高圧電気設備の安全操作
・スマート診断機器の扱い
にも熟練が求められる。多くの工場やディーラーが高給を提示しても、人材は不足し続けている。
こうした状況を受け、中国ではNEV整備士の教育・研修体制が整備されつつある。北京郊外には国内有数のNEV対応専門学校がある。敷地内にはEV分解パーツや実習ブース、オンライン授業ブースが備えられ、東南アジアや中東からも研修生を受け入れてきた。これまでに10万人以上の卒業生を輩出している。
NEV整備士育成は一大産業となりつつある。整備士を送り出すことで市場が拡大し、さらに整備士需要が増加する好循環を生んでいる。整備士教育は、NEV市場を成長基調に乗せる重要な役割を果たしている。