ワンマン列車の運賃支払い 「PayPay対応」がメリットしかないワケ

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JR東海は2025年8~10月、飯田線の無人駅区間でPayPayを使う運賃収受実証を開始した。12.5兆円超の取扱高を誇る国内最大コード決済を活用し、運転士の負担を軽減しつつ訪日客にも対応。高額紙幣の概算収受を避け、地方鉄道の省力化と観光振興を同時に狙う試みだ。

高額改札機不要の導入メリット

「PayPay」登録ユーザー数の推移(画像:PayPay)
「PayPay」登録ユーザー数の推移(画像:PayPay)

 キャッシュレス決済と聞けば、まずクレジットカードのタッチ決済を思い浮かべる人が多い。

 札幌市営地下鉄や都営地下鉄、JR九州などでも導入や実証実験が進んでいる。しかしICカードに対応するには相応のコストがかかる。IC対応の自動改札機は磁気切符と併用できる複合機より安いとされるが、それでも1台に数百万円以上の投資が必要だ。

 これに比べるとPayPay決済は導入のハードルが低い。ユーザースキャン方式なら専用端末を購入したり借りたりする必要がない。決済手数料は1.6~1.98%だが、高額な自動改札を整備するよりはるかに低コストで済む。

 PayPay株式会社が2025年7月に発表した資料によると、同社の2024年度決済取扱高は12.5兆円、決済回数は78億回を超える。国内コード決済のシェアは約3分の2に達し、登録ユーザー数は7000万人を突破した。国内最大のコード決済サービスとして存在感を強めている。

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