東南アジア「自動車」戦国時代! タイの日系シェア71%に急落――中国部品で挑むトヨタの勝算は?

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東南アジア自動車市場は311万台規模で、タイの日系シェアが71%に低下する一方、中国EV勢が16%に拡大。トヨタの中国部品採用を契機に、日中サプライチェーン競争が本格化し、構造変化の波が広がっている。

高品質・低価格を兼ね備えた中国供給網

 中国系サプライヤーの脅威はどの程度なのか。最大の強みである価格競争力は、東南アジアにとどまらず世界各国で際立っている。日系メーカーと比べて2~3割安いのが一般的で、製品によってはさらに差が広がる。

 かつての

「安かろう悪かろう」

という評価は過去のものだ。大量生産で蓄積した技術やEV開発で得た経験が品質向上につながっている。世界で中国製EVが存在感を増す背景には、中国系サプライヤーの支えがある。

 彼らは現地生産を積極的に進めている点も見逃せない。部品工場を設けて輸送コストを抑え、FTAを活用して競争力を一段と高めている。

 さらに、車両メーカーと一体で進出することで、供給網を垂直的に統合し合っている。その結果、日系部品メーカーは現地での撤退や事業縮小を迫られるリスクが現実味を帯びてきた。

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