東南アジア「自動車」戦国時代! タイの日系シェア71%に急落――中国部品で挑むトヨタの勝算は?
東南アジア自動車市場は311万台規模で、タイの日系シェアが71%に低下する一方、中国EV勢が16%に拡大。トヨタの中国部品採用を契機に、日中サプライチェーン競争が本格化し、構造変化の波が広がっている。
東南アジア市場に迫る中国EV攻勢

英国Verdict社が運営するJust Autoによると、2025年の東南アジア自動車市場は311万台に達する見通しだ。2025年1~6月の販売実績は約150万台で、前年同期比2%増となった。
タイは販売台数でインドネシア、マレーシアに次ぐ3番目の市場だが、生産では域内の約4割を占める。2025年上半期の販売は約30万台で、日本メーカーのシェアは
・トヨタ:37%
・ホンダ:12%
・いすゞ:11%
・日産:6%
・三菱:6%
となっている。
日本メーカーは長年にわたり、圧倒的なシェアを背景に安定した高収益市場を守ってきた。しかし近年は自由貿易協定(FTA)などを活用した経済環境の整備を追い風に、中国勢のEVが急速に流入している。一部メーカーは現地生産を始め、価格競争力を一段と高めている。
中国勢の進出に合わせて、部品メーカーの集積も進んでいる。タイには3000社を超える部品メーカーがあり、その半数近くは日系企業だ。中国系は200社に満たないが、2017年の
「4倍」
に増えている。現地のサプライチェーンに中国系が入り込みつつあることが鮮明になってきた。