なぜ「マイナ救急」は進まないのか? 出動件数急増でも保険証利用率28%、実施は2割にとどまる現実

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救急隊員の負担増が深刻化する中、全国720消防本部で2025年10月から本格導入されるマイナ救急。1万件超の医療情報閲覧で応急処置や搬送先選定の迅速化が期待されるが、携帯率28.7%と課題も残る。

保険証利用率の低迷

救急車(画像:写真AC)
救急車(画像:写真AC)

 全国でマイナ救急を推進するには、多くの課題が残されている。

 検証では、自宅での通報が約74%を占め、有用性が確認された。しかし外出先での事例は約20%にとどまり、検証は不十分だ。外出時は保険証を携帯していない人が多く、救急隊単独での対応が難しい場合がある。

 救急隊は警察官のように法律に基づき患者の所持品を確認できない。意識を失った患者が保険証を渡せない場合、現状ではマイナ救急を実施することは困難だ。

 さらにセキュリティ面でも課題がある。個人情報をデジタル化する事業者にはサイバー対策が義務付けられているが、政府機関や交通、金融など重要インフラへの攻撃は増加している。2025年7月には公務員が親族のマイナンバーを不正取得する事件も発生した。医療情報システムの安全管理には、こうした脆弱性を検証したガイドライン整備が不可欠だ。

 2024年12月に本格移行したマイナ保険証も、トラブルが後を絶たない。全国保険医団体連合会の調査では、33都府県の医療機関の

「約9割」

がトラブルを経験したと回答した。漢字が正しく表示されない問題や、カードリーダーの接続不良、認証エラーも発生している。院内で利用できず、患者に医療費全額を支払ってもらった事例も明らかになった。

 利用率は2025年4月時点で28.7%にとどまる。同月には1万4593件の利用登録解除申請があり、累計では9万件を超えている。

 マイナ救急を機能させるには、マイナ保険証の携帯と利用が不可欠だ。問題点を早急に洗い出し、システムを再整備する必要がある。

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