3か月で3件! 都営バス「バス置き去り」はなぜ起きた? 直面するドライバー疲労・人手不足の深刻なジレンマとは

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2025年度、都営バスで3か月連続の乗客置き去り事案が発生。小児も含む事例が明らかにしたのは、ドライバーの意識だけに頼る安全管理の限界だ。AIやIoTを活用した低コストシステムによる自動把握が、心理的負担軽減と事故防止のカギとなる。

車内点検自動化の可能性

都営バス(画像:写真AC)
都営バス(画像:写真AC)

 現在の情報技術を踏まえ、置き去り事故の防止策を検討する。入庫時に事故が起こりやすい営業所では、

「運賃箱の現金回収を車内点検に連動させる方法」

がある。一定時間を置き、点検が未完了の場合は金庫操作を不可とする仕組みだ。こうすれば、ドライバーは点呼プロセスを進める前に車内点検を行わざるを得ない。車内カメラと連動させ、営業所員が点呼時に最終確認する方法も考えられる。

 車内センサーの導入も可能である。座席センサーで有人を感知し、IoT技術を使って情報を営業所に送信する。また、空車時と有人時の重量差を測定することで、乗客の置き去りを把握することもできる。AIによる人物認識精度も向上が期待でき、標準化の可能性もある。遠隔で営業所から対象を確認するリモートセンシングも、自動運転研究の技術を応用可能だ。

 さらに、乗客側のユーザビリティを高めた発信システムも有効である。降車ボタンの停止中押下で営業所に通知できる仕組みを導入すれば、ドライバーと乗客の多層的確認体制が構築できる。ドライバー監視型のシステムだけでなく、人為的要因に依存せず自動的に置き去りを把握できる設計が望ましい。

 AIやIoT、各種センサー技術の活用により、車内の人の存在を自動で把握・可視化できる。その情報をインターネットで即時に共有することも可能だ。点検の抜け漏れを根本的に減らす潜在力を持つ技術である。

 現在のバス事業の厳しい状況を踏まえると、ドライバーの心理的負担を軽減しつつ、運行管理者がリアルタイムで状況を把握する仕組みが重要だ。ドライバーの意識だけに依存しても、100%の安全は保証できない。心身の状況や意識に左右されず、自動で置き去り情報を発信・共有できるシステムが防止策の肝となる。

 運賃収受業務との連動設計で、事務手続きを含め強制力を持たせる施策も可能だ。こうした設計は逆に、ドライバーの心理的負担を軽減する効果も期待できる。現状では、ドライバー負担をやわらげる視点での議論が不足している。

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