日本車は「値上げ」で生き残れるのか? 自動車関税2.7兆円負担増が突きつける、米国価格戦略の正念場

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米国が日本製自動車の関税を27.5%から15%に引き下げる合意は、不透明感が漂う中で2025年9月中旬に実施見込みだ。7社合計で約2兆7000億円に及ぶ関税負担は、営業利益を約3割圧迫する可能性が高い。ブランド価値維持に成功した高級ブランドの価格戦略を参考にしつつ、日本車は米国市場での価格転嫁と収益性の狭間で難しい舵取りを迫られている。

自動車関税引き下げの行方

大量の自動車イメージ(画像:写真)
大量の自動車イメージ(画像:写真)

 米財務省は、日本からの自動車輸入関税を15%に引き下げる時期について、7月下旬の日米合意から約50日後の9月中旬ごろになる見通しを示した。

 米政府は7月22日、日本製自動車および部品への関税を27.5%から15%に引き下げることで合意したが、米国側文書に自動車関税の引き下げは明記されておらず、実現に不透明感が漂っている。この状況で日本の自動車メーカー各社は、

「増税分を価格に転嫁するか吸収するか」

の経営判断を迫られている。7社合計の2026年3月期の関税影響額は約2兆7000億円に達し、営業利益を約3割押し下げる見込みだ。

 本稿では、度重なる値上げでブランド価値を維持・向上させた

「高級ブランドの成功事例」

を参考に、日本車の価格戦略と収益性の関係を多角的に分析する。また、米国との相互関税の経済的制約下で、日本の自動車産業が残された成長の選択肢を探る。

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