日本車は「値上げ」で生き残れるのか? 自動車関税2.7兆円負担増が突きつける、米国価格戦略の正念場
米国が日本製自動車の関税を27.5%から15%に引き下げる合意は、不透明感が漂う中で2025年9月中旬に実施見込みだ。7社合計で約2兆7000億円に及ぶ関税負担は、営業利益を約3割圧迫する可能性が高い。ブランド価値維持に成功した高級ブランドの価格戦略を参考にしつつ、日本車は米国市場での価格転嫁と収益性の狭間で難しい舵取りを迫られている。
日米関税と価格転嫁の実態

2025年7月31日付の大統領令により、米国東部時間8月7日午前0時1分以降に通関した日本からの輸入品に対する追加関税は、従来の10%ベースラインから15%の相互関税へと引き上げられた(当初の24%から引き下げ)。この措置は日本を含む69か国・地域に適用される相互関税率の変更である。
自動車の相互関税15%を価格に転嫁すると、例えば車両価格が3万ドル(約440万円)から3万4500ドル(約506万円)へと
「4500ドル(約66万円)」
上昇する計算になる。トヨタ自動車は相互関税の影響額を約1兆4000億円と試算しており、米国での販売台数約200万台から1台あたり約7000ドル(約103万円)の負担増と見込んでいる。
相互関税導入により米国内でインフレ懸念が広がるなか、国民への関税還付の動きも表面化している。トランプ元大統領は還付の検討を示唆し、米議会では関税収入を活用し全国民にひとり当たり最低600ドル(約9万円)を支給する法案も浮上している。
還付額次第ではあるが、関税転嫁による価格上昇が国民生活に大きな影響を及ぼさないよう対策が模索されている。