日本車は「値上げ」で生き残れるのか? 自動車関税2.7兆円負担増が突きつける、米国価格戦略の正念場

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米国が日本製自動車の関税を27.5%から15%に引き下げる合意は、不透明感が漂う中で2025年9月中旬に実施見込みだ。7社合計で約2兆7000億円に及ぶ関税負担は、営業利益を約3割圧迫する可能性が高い。ブランド価値維持に成功した高級ブランドの価格戦略を参考にしつつ、日本車は米国市場での価格転嫁と収益性の狭間で難しい舵取りを迫られている。

米市場で問われる日本車の価格転嫁の限界

フォード・エスケープ(画像:フォード)
フォード・エスケープ(画像:フォード)

 米国市場での日本車は、信頼性や燃費性能に加え、高いコストパフォーマンスで長年支持されてきた。しかし、プレミアムブランドとしての認知はまだ達成していない。

 米国のメーカー希望小売価格(MSRP)で比較すると、トヨタ・ランドクルーザーは5万7900ドルから6万3900ドルで、ジープ・グランドチェロキーは3万8490ドルから6万5035ドル。マツダ・CX-5は3万265ドルから4万2295ドルで、フォード・エスケープは3万1010ドルから3万9005ドルとなっている。

 もし日本車が15%値上げすると、米国車との価格差が広がり、日本車の強みであるコストパフォーマンスが失われる可能性が高い。価格上昇による性能差やブランド力への影響は大きく、市場がその値上げを受け入れるかは不透明だ。増税分の価格転嫁に耐えうるブランド価値を築けるかは各メーカーの戦略に依存するが、一部ではその限界が近づいている。

 一方で、レクサス、アキュラ、インフィニティなどの高級車ブランドは価格転嫁が比較的容易とみられるが、ここでもブランド力の強さが市場受容の鍵となる。

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