米テスラ・マスクCEOに「4.3兆円」の巨額報酬! テスラ業績悪化下で問われる「株主至上主義」の限界

キーワード :
, ,
テスラのイーロン・マスクCEOに約4兆3000億円の巨額株式報酬が承認された。一方、同社の2025年第2四半期は売上高12%減、営業利益42%減と業績は低迷。報酬と業績の乖離や米国の過度なCEO報酬問題が浮き彫りとなり、透明性や多元的評価を盛り込んだ報酬制度改革の必要性が急務となっている。

テスラCEO報酬の衝撃

テスラ最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏(画像:AFP=時事)
テスラ最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏(画像:AFP=時事)

 米電気自動車(EV)大手テスラは、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)に対し、約290億ドル(約4兆3000億円)相当の暫定的な株式報酬を承認したと、複数メディアが2025年8月5日に報じた。

 この巨額報酬は、マスク氏のCEO続投を促す狙いがある。テスラ取締役会は株主宛の書簡で、マスク氏の経営継続が不可欠だと強調した。株式報酬は「善意の第一歩」と説明している。2025年11月6日に予定される年次株主総会の投票に先立ち、テスラは長期的なCEO報酬戦略の策定を見込む。

 マスク氏の報酬額は、経営幹部の一般的な水準と比べても異例の大きさだ。自動車業界の比較では、米ゼネラルモーターズのメアリー・バーラCEOが2024年に受け取った報酬は約2950万ドル(約44億円)にとどまる。マスク氏の報酬はバーラ氏の

「約1000倍」

に達する計算だ。

全てのコメントを見る