モバイルバッテリー「機内持ち込み」に潜む出火リスク! 中国大手49万台リコールと「幹部逃亡」、暴かれた制度の限界とは
モバイルバッテリー発火事故が世界の空を揺るがす。2025年、機内火災の発生件数が急増し、各国当局が規制強化に乗り出した。韓国・香港・中国に続き、日本も新ルール導入へ。背景には、粗悪品の流通と49万台超の大規模リコールがある。
航空機内ルール改定の波紋

日本でも、モバイルバッテリーの機内取り扱いに関する対応が動き出した。国土交通省は航空業界団体(定期航空協会)と連携し、国内の定期航空運送事業者に対して、2025年7月8日から以下2点の対応を「協力要請事項」として提示した。
・モバイルバッテリーを座席上の収納棚に入れないこと。
・機内でのモバイルバッテリーから携帯用電子機器への充電又は機内電源から。モバイルバッテリーへの充電については、常に状態が確認できる場所で行うこと。
この対応は、中国のような法的拘束力のある命令ではなく、あくまで協力要請にとどまる。ただし、国内航空各社は速やかに応じ、いずれも上記方針を機内規則へ反映させている。
一連のモバイルバッテリー騒動を、あえて前向きに捉える視点もある。韓国・エアプサン391便、香港航空115便の火災事故では、死者はひとりも出ていない。その上で、各国が事故を機に一定の規制強化を進めたことは、長期的には製品の安全性向上につながる可能性がある。
リチウムイオン電池を使ったモバイルバッテリーは、半永久的に使えるものではなく、数年ごとの買い替えが前提の消耗品だ。そうした知識が、各国当局の通達を通じて一般ユーザーにも浸透すれば、正しい使い方が社会の常識となるだろう。
事故はもちろん防ぐべきものだが、一方でその発生が安全意識の啓発につながる側面もある。消費者の目が厳しくなれば、ネット市場で販売されているモバイルバッテリーの品質向上にもつながる。粗悪品が淘汰され、優良製品が主流となる流れが、今まさに生まれつつある。