モバイルバッテリー「機内持ち込み」に潜む出火リスク! 中国大手49万台リコールと「幹部逃亡」、暴かれた制度の限界とは

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モバイルバッテリー発火事故が世界の空を揺るがす。2025年、機内火災の発生件数が急増し、各国当局が規制強化に乗り出した。韓国・香港・中国に続き、日本も新ルール導入へ。背景には、粗悪品の流通と49万台超の大規模リコールがある。

中国政府の即応型リスク管理

CCC認証マーク(画像:中国政府)
CCC認証マーク(画像:中国政府)

 中国では航空機内での事故発生時、中央政府によるトップダウン型の即時対応が常である。日本のように「各航空会社へのお願い」にとどまる対応とは根本的に異なる。6月26日、中国民用航空局は国内線において、3Cマークのないモバイルバッテリーの機内持ち込みを全面禁止とする命令を発出した。

 3Cマークとは、中国強制製品認証制度(China Compulsory Certificate system)に基づく安全認証である。仮に日本製でPSEマークが付与されたバッテリーであっても、3Cマークがなければ中国国内線の旅客機には持ち込めない。手荷物検査の段階で没収される。命令の施行日は通知のわずか2日後、6月28日。事故の芽を断つため、政府は私物や個人の自由を制限する決定を即断で下す。西側諸国とは行政の思想そのものが異なることを示す象徴的な事例である。

 こうした背景には、相次ぐモバイルバッテリー製品のリコールがある。中国メーカーのAnkerやBaseusは、現在では日本でも広く認知されているブランドだ。Ankerは家電量販店やコンビニでも販売されており、Baseusはオーディオ機器分野でも市場を拡大してきた。

 しかし、2024年からこの2社の製品にもリコールが相次いだ。問題はそれだけではない。日本の家電量販店でも扱われていた中国・深センのモバイルバッテリー大手ROMOSS製モバイルバッテリーに関しては、単なるリコールにとどまらず、経営崩壊と呼べるレベルの騒動に発展した。

 香港航空115便の火災事故。その原因とされるのがROMOSS製のバッテリーである。6月16日、ROMOSSは2万mAhの大容量モバイルバッテリー3製品、約49万台を対象とした大規模リコールを発表。安全が確認された製品との交換、または全額返金に応じるとしたが、同社の重役は利益とともにマレーシアに

「逃亡」

していたことが香港メディアによって報じられた。現在、ROMOSSは事実上の経営停止状態にあり、日本市場からも製品が姿を消した。北京による機内持ち込み制限の厳格化は、こうした連続的な製品トラブルに終止符を打つ意図も含まれていると見て間違いない。

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