CO2多排出の航空機は乗らない! 不名誉レッテル「飛び恥」脱却の切り札、バイオマス燃料の実態とは
航空業界が現在注目しているSAF(再生航空燃料)。国内にある使用済み食用油や家庭ごみなどを全て生産に利用できれば、国内での航空機燃料のほぼ全量をSAFに置き換えられるというが……
こんなにもある「バイオ◯◯」

航空業界が現在注目しているSAFは、
「バイオジェット燃料」
とも呼ばれている、廃食用油や生ごみなどの再生可能な生物資源(バイオマス)を原料にした燃料だ。
これと似たような名前の「バイオディーゼル燃料」は、以前よりバスやトラックに使用されており、耳にしたことがある人が多いのではないか。再生可能な生物資源を原料にした主な「バイオ◯◯」は、以下のとおりである。
・バイオエタノール:糖質やでんぷん質の原料の糖分をアルコール発酵させて製造。ガソリンと混合して自動車の燃料として使用されている
・バイオディーゼル燃料:原料油脂を精製してグリセリンを取り除き製造。軽油と混合してバスやトラックの燃料として使用されている
・バイオガス:原料の有機廃棄物を、メタン菌などの微生物に発酵させて製造。車両からボイラーなどに幅広く活用されている
・バイオジェット燃料:原料油脂の精製やエタノールから製造。近年では、微細藻類や木材チップなどの木質系セルロースを原料とする製造方法も開発されている
いずれのバイオ燃料も、二酸化炭素排出ゼロにつながる仕組みは同じだ。
バイオ燃料を使用すると、当然のことながら二酸化炭素が発生する。しかし、バイオ燃料の原料となる植物は、成長過程で光合成により二酸化炭素を吸収していることから、燃焼時に発生する二酸化炭素と相殺され、結果として二酸化炭素排出量がゼロになるという仕組みなのだ。