米国主導 ロシア産資源「輸入禁止」は脱炭素社会への布石となるのか?

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現在、ロシアのウクライナ侵攻によるロシア産資源の輸入禁止が注視されている。これは、さらなる脱炭素化への一歩となるのだろうか。

8項目の「協力プラン」とは

LNGタンクのイメージ(画像:写真AC)
LNGタンクのイメージ(画像:写真AC)

 現在、ロシアのウクライナ侵攻によるロシア産資源の輸入禁止が注視されている。これは、さらなる脱炭素化への布石となるのだろうか。

 2000年代に入り、日本は原油輸入の中東依存を解消すべく、ロシアからのエネルギー資源の安定供給確保を重視するようになった。

 とりわけ第2次安倍政権下では、2016年5月の安倍首相とプーチン大統領の会談で、日本側が以下の8項目からなる「協力プラン」を提示。

1.医療水準を高め、ロシア国民の健康寿命の伸長に役立つ協力
2.快適・清潔で、住みやすく、活動しやすい都市作り
3.日露中小企業の交流と協力の抜本的拡大
4.石油・ガス等のエネルギー開発協力、生産能力の拡充
5.ロシア産業の多様化促進と生産性向上
6.極東における産業振興、アジア太平洋地域に向けた輸出基地化
7.日露の知恵を結集した先端技術協力
8.両国間で多層での人的交流の飛躍的拡大

 これらを基本として、各種のプロジェクトが進められることになった。

ロシアで行われた石油・天然ガス開発計画

8項目の「協力プラン」特設サイト(画像:在ロシア日本大使館)
8項目の「協力プラン」特設サイト(画像:在ロシア日本大使館)

 これ以前から、日本ではロシアでの石油・天然ガス開発計画を実施していた。その代表的なものが、サハリンで進められた

・サハリン1
・サハリン2

である。

 2001(平成13)年、サハリン2で原油の輸出を開始したのを皮切りに、2009年には液化天然ガス(LNG)の輸出も開始している。また2016年からは、イルクーツク石油と協力して取り組んだ東シベリアのザパド鉱区で原油の生産を開始している。

 さらに2017年、ロシア北部に接するカラ海に面したヤマロ・ネネツ自治管区から、LNGの出荷を開始している。これは、日本企業が建設や機器、輸送船などの分野に参画したことで実現に至った背景がある。

 ところで、この計画を象徴したのは砕氷LNG船「ウラジミール・ルサノフ」である。砕氷船とは水面の氷を砕いて水路を開きながら航行する船で、砕氷LNG船とは文字通りそのような機能を持ったLNGタンカーだ。