「業界の恥さらし」 日本郵便の「トラック→軽バン代替」が配送崩壊を招く根本理由! 物流ジャーナリストが警告する
不正点呼問題の火消しに奔走する日本郵便は、苦し紛れに「使えなくなる2500台のトラックの代わりに、軽バンで配送を行う」と発表した。これは物流業界をさらに疲弊させかねない、極めて危うい一手である。
物流現場に押し寄せる手積み地獄

日本郵便で今後使用できなくなる2500台の車両が担当していた「比較的大口の顧客」とは、ECや通販事業者、あるいはトラックをチャーターするほどではない企業間輸送などが該当すると考えられる。
例えば、カゴ台車を使って4tトラックに荷物を積み下ろす場合、作業は30分ほどで完了するだろう。しかし、これを軽バンに手積み・手卸しで行うと、スキルの高い配達員であっても1台につき最低10分はかかる。4tトラック相当の荷物であれば軽バン10台が必要になるため、作業時間は10分×10台で計100分。4トントラックと比べて、3倍以上の時間がかかる計算になる。
このような運用が現場に導入されれば、物流センターの入出庫効率は大きく低下する。結果として、入出庫時間を延長する必要が生じ、倉庫作業員には長時間労働が発生する可能性がある。
荷役時間だけでなく、荷待ち(待機)時間も増加するだろう。物流センターの周辺には待機中の軽バンがあふれ、近隣住民から苦情が出るおそれもある。
さらに、来春から大手荷主や物流事業者には
「1運行あたりの荷待ち・荷役時間を2時間以内に抑える」
という『1運行2時間ルール』が適用される。このルールの順守にも悪影響を与える可能性がある。
「大は小を兼ねる」とはよくいわれるが、逆は成り立たないことが多い。トラックの役割を軽バンで置き換えるというのは、日本郵便側の都合にすぎない。そのしわ寄せは、発荷主・着荷主の双方に及び、深刻な迷惑を引き起こすおそれがある。
ほかにも、日本郵便が大量の軽バンを確保することで、軽バンによる配達を担ってきたAmazonや楽天といった事業者において、配達員の確保が難しくなる懸念がある。