「業界の恥さらし」 日本郵便の「トラック→軽バン代替」が配送崩壊を招く根本理由! 物流ジャーナリストが警告する
不正点呼問題の火消しに奔走する日本郵便は、苦し紛れに「使えなくなる2500台のトラックの代わりに、軽バンで配送を行う」と発表した。これは物流業界をさらに疲弊させかねない、極めて危うい一手である。
受付負荷を無視した運用拡大

愚かと感じたこの感覚を共有するために、あえて乱暴な例えを使わせてほしい。
修学旅行を控えた中学校があるとする。生徒は200人。移動手段はバス5台に分乗する予定だった。ところが、バス会社から「バスが用意できないので、代わりにタクシーを出す」といわれたとしよう。
タクシー1台に生徒4人が乗るとすれば、必要な台数は50台。これだけの台数が一斉に動けば、乗降に大きな時間がかかる。特に見学先での乗降が問題になる。50台で200人の生徒が乗り降りするだけで、相当な時間を要する。そもそも、そんな数の車両が駐車できる場所を確保できるとは限らない。
場合によっては、見学先から「バス5台なら歓迎するが、タクシー50台では駐車場が混雑してしまう。他の来場者に迷惑がかかるので来ないでほしい」と断られる可能性もある。ここで、軽バンの最大積載量を350kgと仮定する(実際は車種により異なる)。
・最大積載量1000kgのバンを軽バンで代替するなら、少なくとも3台必要
・3500kgの4tトラックを代替するには、最低10台
・10000kgの大型トラックなら、最低29台が必要になる
つまり、これまで4tトラック1台で集荷していた物流センターには、今後は軽バン10台が出入りすることになる。これは物流センター側にとって
「迷惑」
以外の何物でもない。車両台数が増えれば、その分だけ受付の負荷が増す。受付業務は車両のサイズに関係なく1台あたり一定の手間がかかる。さらに、軽バンではフォークリフトやカゴ台車を使った荷役ができない。すべて手積み・手卸しとなるため、作業負担が一気に跳ね上がる。