宅配「置き配」標準化は誰得? 再配達率8.4%の「大盲点」、立ちはだかる7つの課題とは
2025年6月、国交省の見直し案により宅配の「置き配」が標準化に向かう。再配達率8.4%の裏で未依頼の荷物が現場負担を増大させる。多様な配送環境や利用者行動の違いに対応し、効率とリスクのバランスを取る持続可能な制度設計が急務だ。
「置き配」主流化の現実

2025年6月、国土交通省は標準運送約款の見直し案を示した。これにより、宅配の基本的な方法が「対面手渡し」から「置き配」へと変わり始めている。
置き配とは、配達員が荷物を直接渡さず、受取人が希望する場所に置く方法である。置き場所としては、玄関前や宅配ボックス、ガスメーターの上などが多い。配達員は荷物を置いたあと、チャイムを鳴らすか通知を送り、その場を離れる。
この制度の変更は、再配達を減らすことや配達の効率を高めることを目指している。物流を社会のインフラとして見直す、長期的な考え方に基づいている。
6月26日、国土交通省は検討会の初会合を開いた。有識者や自治体の関係者、物流業界の人々が集まり、「置き配を標準サービスにする」という方向性について議論を始めた。秋までに方向性をまとめる予定であり、制度の変更は現実に近づいている。
しかし、現場の状況や住宅のつくり、受取人の行動を考えると、制度を一律に進めるには多くの問題がある。以下では、七つの具体的な課題をもとに、この制度が直面する現実を見ていく。