宅配「置き配」標準化は誰得? 再配達率8.4%の「大盲点」、立ちはだかる7つの課題とは

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2025年6月、国交省の見直し案により宅配の「置き配」が標準化に向かう。再配達率8.4%の裏で未依頼の荷物が現場負担を増大させる。多様な配送環境や利用者行動の違いに対応し、効率とリスクのバランスを取る持続可能な制度設計が急務だ。

一律運用を拒む現場実情

「置き配」のイメージ(画像:写真AC)
「置き配」のイメージ(画像:写真AC)

 残る論点は四つある。

 第一に、配達される荷物の種類が多様であり、すべてに同じ仕組みを当てはめることは難しい。宅配されるものには、以下のようなものが含まれる。

・温度管理が必要な食品や薬
・対面での受け取りが必要な代金引換の商品
・贈答用で手渡しが前提の商品

これらは置き配に適していない。さらに、インターネットの通販サイトの中には、配達日時を指定できないものもある。このため、利用者が配達に合わせて予定を調整できないことも多い。こうした問題は受け取る側だけに原因があるのではなく、配送サービスの設計にも課題がある。制度を広く適用するには、こうした例外に対応できる仕組みが必要となる。

 第二に、配達員の業務負担がある。制度が改正されて置き配が広がれば、配達作業は軽くなると期待されている。しかし実際には、次のような対応が日常的に発生している。

・電話での連絡
・柔軟な再配達の要望への対応

このような業務が重なり、配達員の負担は大きくなっている。その背景には、「送料無料」や「即日配送」といった過剰なサービス競争がある。制度を変えるだけでは、現場の負担は軽くならない。利用者の意識を見直すとともに、事業者もサービスの方針を改める必要がある。

 第三に、置き配には物理的な制約がある。都市部の住宅では、そもそも置き配ができないことが多い。たとえば、公道に面した玄関には安全な荷物の置き場所がなく、盗難や雨による被害の危険がある。また、オートロック付きの集合住宅では、配達員が玄関まで入れないこともある。

 今回の会合では、マンションや一戸建てに宅配ボックスをどのように整備するかという住宅設備に関する議論も行われた。制度の改正だけでは不十分であり、住宅の側でも対応が求められている。

 宅配ボックスがない建物も多く、対応手段がないまま制度だけが先に進められている。住宅の設備が整わないままでは、制度がうまく機能しないおそれがある。

 第四に、制度の変更は消費者の行動や価格の仕組みにも影響を与える。もし、再配達や手渡しの配達に追加料金がかかるようになれば、便利さと費用が結びつき、ネット通販の利用を控える人が増える可能性がある。ただし、価格の仕組みがうまく働けば、配送方法に応じて消費者の行動が変わることが期待できる。

 このように、物流資源の無駄な使用を減らすことにもつながる。

・価格は安いが置き配が前提の商品
・手渡し保証がついた高額商品

といったように、価格と配送の関係がはっきりすれば、ネット通販全体の仕組みも見直す必要が出てくる。

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