都心「巨大再開発」もういらない? 新宿駅南口プロジェクト「工期未定」の大波紋――建設費1.4倍が示す“都市開発モデル”の限界
新宿駅南口の再開発が資材価格高騰と人手不足で暗礁に乗り上げた。建築費指数は10年で約1.4倍に上昇し、ゼネコンの手持ち工事は平均18カ月超。こうした環境変化が鉄道会社の投資戦略を見直させ、全国で大型再開発の延期や計画修正が相次いでいる。長期・巨額プロジェクトのリスクが顕在化し、従来の都市開発モデルは転換期を迎えている。
“未定”となった完成時期

新宿駅南口の大規模再開発プロジェクトが暗礁に乗り上げている。施工会社が決まらず、2028年度を予定していた完成時期は「未定」となった。2024年12月の着工も、いまだ施工業者が決まらず見通しが立たない。
遅延の主因は、建設資材の価格高騰と慢性的な人手不足にある。この再開発は、新宿駅周辺の再整備における中核事業として位置づけられてきた。計画の停滞は、他の関連プロジェクトにも波及する可能性が高い。
建設コストの増大と人材不足を理由に、再開発計画の見直しを迫られるケースは全国で相次いでいる。