神戸空港「国際化バブル」は本物か? 週40便・搭乗率82%の好調と、スカイマーク再就航にかかる期待の背景
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国際チャーター便は平均搭乗率82%

神戸空港(神戸市中央区)の国際化が順調なスタートを切った。国際線運航再開に意欲を見せるスカイマークの構想が実現すれば、さらなる発展が期待できそうだ。
韓国・仁川(インチョン)空港発の大韓航空機から乗客が吐き出され、到着ロビーへ次々にやってくる。入国審査を済ませると、重いキャリーケースを引きずりながら外へ。4月18日から国際チャーター便の運航が始まり、新時代を迎えた神戸空港。6月中旬の平日、夏休みはまだなのに、大勢の訪日観光客でにぎわっていた。
ソウルから来た大学生カップルは何度も来日しているが、神戸空港の利用は初めて。「本場で神戸牛を食べたら、大好きな京都に足を運びたい」とにっこり。肩を寄せ合うようにして三宮行きのバスに乗り込んだ。
神戸空港は大韓航空など韓国、台湾、中国の航空会社4社が台中、上海など5都市を結ぶ国際チャーター便を週40便運行している。5月の連休中はベトナムの格安航空会社を使ったツアーも開催された。旅客数は5月17日までの1か月間で約5万人。平均搭乗率は82%に達する好調ぶりだ。特に台北近郊の桃園便は85~90%の高い搭乗率を記録した。
150万人都市の潜在需要

神戸市は国際化に向け、1階に出入国手続きを集約した第2ターミナルを新設した。国際チャーター便には約20社から就航の申し出があり、高付加価値を提供するフルサービスキャリア4社を選んだ。
神戸空港が150万人近い人口を抱える神戸市の中心部に近いだけに、ビジネス客や富裕層の利用を多く見込めると判断したとみられる。
運航中の航空会社には、好調な出足に気をよくし、増便を視野に入れ始めたところもある。久元喜造神戸市長は5月末の記者会見で
「大変ありがたい。国際化が順調にスタートできた」
と笑顔を見せた。神戸市空港調整課によると、その後も好調な利用が続いているという。