自転車用「電動改造キット」急増? 設置わずか60秒で時速32km──天使か悪魔か? 事故リスクの現実を考える
ホンダが終戦直後に外付けモーターで歩み始めた電動自転車の歴史は、技術革新と制度の狭間で揺れる。中国で3.4億台超の普及を見せる一方、日本では法整備の遅れが安全性と市場の拡大に壁をつくる。電動コンバージョンキットの普及は都市交通と居住形態を変える潜在力を秘めるが、規制のグレーゾーンとインフラ整備の課題が今後のカギとなる。
安全負担増と整備コスト問題
電動コンバージョンキットの普及は、
「電動アシスト自転車の価格破壊」
を引き起こす可能性がある。この影響は立場によって評価が分かれるだろう。消費者にとっては恩恵となる一方、安全性への懸念も残る。外付けであるがゆえに事故リスクが増し、従来の電動アシスト自転車以上に整備が求められる可能性が高い。この整備負担が増すことも十分に考えられる。
また、日本の各自治体がこの状況を黙って見過ごすことは考えにくい。電動アシスト自転車の普及に伴い、自転車レーンの整備が急務となるだろう。その整備には多額の費用がかかるうえ、安全面の課題も無視できない。
こうした背景から、自治体が電動コンバージョンキットに対してライセンス制度を設ける可能性もある。