高速道路「暫定2車線」はなぜ事故が多い? 3400kmに潜む“死角”の正体――中央分離帯はワイヤーロープで本当に安全?
日本の高速道路網は約3400kmに及ぶ暫定2車線区間を抱え、安全性や拡幅計画の課題が顕在化している。コスト効率を優先しつつも、事故リスク軽減のため中央分離帯の最適化が急務だ。
事故対応で光る迅速設置の利便性

ワイヤーロープによる中央分離帯の区間を何度か走行した経験がある。車線逸脱の防止という点では、一定の効果があると実感する。ただし、完全に逸脱を防げるかというと疑問も残る。
一方で、道路を早期に開通させるという観点からは、ワイヤーロープの活用は合理的といえる。設置はコンクリート製よりもはるかに容易で、暫定2車線区間では特に有効だ。たとえば、事故や故障で片側車線が規制された場合、対向車線を迂回路として使う必要がある。その際、ワイヤーロープならば取り外しと再設置が迅速に行えるという利点がある。
暫定2車線区間を実際に走ってみると、法定の車線幅が確保されていても狭く感じることがある。視覚的な圧迫感が影響しているのだろう。特に、中央分離帯がコンクリート製の場合、視界が遮られやすく、精神的なストレスも大きい。これに対して、ワイヤーロープであれば視界が開けるぶん、走行時の緊張感がやや和らぐ。
加えて、対向車の存在を視認しやすくなる点も大きい。すれ違い時に相手車両の動きが見えない状況は、運転中の不安感を増幅させる。ワイヤーロープは、こうした心理的負荷を軽減する役割も果たしている。