離島の定期航路が消える日──なぜ年間89億円の補助金は「採算度外視の命綱」を救えないのか?

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国の補助が年間89億円に膨らんでも離島航路の赤字は止まらず、全国183億円規模に拡大。416の有人島にとって「命綱」である航路は今、制度疲労と採算不全の狭間で崩壊の瀬戸際に立たされている。自治体支援も限界に近づくなか、現行制度の抜本的見直しが急務だ。

小離島を蝕む便数削減

離島のイメージ(画像:写真AC)
離島のイメージ(画像:写真AC)

 冒頭で述べた全国286の離島航路の多くは、消滅の危機に直面している。国が補助対象としていること自体が、航路消滅のリスクを示しているのだ。

 特に小規模な離島では、利用者の減少による負のスパイラルが加速し、廃止リスクが高まっている。例えば、福岡県宗像市の市営渡船地島航路や大分県佐伯市の蒲江・深島航路、さらには五島列島の小離島航路などは、島の人口減少を背景に今後の存続が極めて困難になる見通しだ。

 多くの場合、まず赤字や利用者減少を理由に便数削減が進む。便数が減ることで利便性がさらに低下し、通学や通院が難しくなる。結果として、島の生活自体が維持困難となっていく。この過程を経て、島は人が暮らす場所からただ不便な場所へと変貌してしまう。

 現在重要なのは、こうした島の航路維持を

「費用がかかりすぎる」
「非効率で税金の無駄」

などと簡単に片付ける考えを改めることだ。これは交通インフラ全般にいえることで、過疎地域に住むこと自体を非効率とし、自己責任とみなす見方が根強く存在している。

 だが、人はどこに住んでいても、生き続ける権利を持っている。したがって、航路は人が住み続けるか否かを決定づける基盤そのものであるという視点に立ち返る必要がある。

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