工事してないのに規制? 高速道路の「謎区間」を徹底解明! 73%が追突事故の背景、ドライバーが知らない安全確保を考える
高速道路の老朽化が進む中、約3割の路線が築40年以上に達し、20年後には76%に拡大する見通しだ。工事や車線規制は安全確保に不可欠だが、一見工事が行われていない区間も規制されている。
事故データから見る規制の必然性

安全性の確保や工事の必要性から、一見工事が行われていない場所にも規制が設けられていることが判明した。特に、合流地点をむやみに増やさないために規制区間を長めに取る点は有効な対策といえる。
警視庁が発表した「高速道路における事故類型別及び法令違反交通事故発生件数(令和5年)」によると、高速道路で起きる事故の92.6%は車両同士の事故である。事故の種類では追突が73.4%で最も多く、次いで「車両相互 その他」が15.6%を占めている。法令違反の内容を見ると、前方不注意が43.6%、動静不注視が23.7%、安全不確認が16.1%となっている。
このデータからもわかるように、合流地点で起きやすい事故と運転ミスが大部分を占めている。渋滞で速度が落ちると、気の緩みやイライラから漫然運転になる場合が多い。そこに合流という不規則な車の動きが加わることで事故が発生しやすくなるのだ。そのため、工事区間だけでなく、工事していない区間も規制したままにしていると考えられる。
工事していないように見える規制区間で渋滞が起きると、利用者は苛立つこともあるだろう。しかし事故が起きれば処理に時間がかかり、さらに大きな渋滞を招く。規制区間が長く感じられても、安全を最優先にした措置であることを理解すべきだ。