トンネル出口で吹く「横風」はなぜ危険なのか? 時速10m/sで1m横滑りの衝撃データ――ミニバン・トラックが“横転”する死角とは

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風速ごとの危険度、車種別のリスク、そして高速道路の規制基準(瞬間風速20m/s以上で通行止め)を踏まえ、安全運転のための具体的な対策を解説する。

意外と無視できない走行中の「横風」

トンネル(画像:写真AC)
トンネル(画像:写真AC)

 運転中にはさまざまな自然現象に遭遇する。そのなかでも比較的多いのが「強風」だ。特に横風が強いと、ハンドルをとられたり車体が大きく揺れたりすることがある。運転操作に影響が出るため、十分な注意が必要となる。

 台風時にはさらに状況が悪化する。実際、強風によって車両が横転するケースも少なくない。大阪府トラック協会が2018年9月の台風21号に関して行ったアンケートによれば、被害を受けた事業者は278社。破損した車両は合計770台にのぼった。内訳は、横転26台(20社)、水没10台(7社)だった。

 こうした事例からもわかるように、トラックなど車高の高い車両は特に横風の影響を受けやすい。ただし、車両の形状以外にも要因はある。そもそも横風が吹きやすい場所が存在する。代表的なのは

・高架の高速道路
・山間部のトンネル出入口
・海岸沿いの道路

だ。これらのエリアには横風注意の警戒標識が設置されている。標識の目的は、走行上の危険を知らせ、安全運転を促すことにある。

 このような場所では、横風の存在を前提に走行することが求められる。では、実際にどのような対策を取ればよいのか。本稿では、風速ごとの危険度、横風の影響を受けやすい車種、そして具体的な対応策について解説していく。

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