トンネル出口で吹く「横風」はなぜ危険なのか? 時速10m/sで1m横滑りの衝撃データ――ミニバン・トラックが“横転”する死角とは
風速ごとの危険度、車種別のリスク、そして高速道路の規制基準(瞬間風速20m/s以上で通行止め)を踏まえ、安全運転のための具体的な対策を解説する。
瞬間風速20mで通行止め

高速道路上の風の強さを判断する目安として、「吹き流し」がある。横風注意の標識の近くに設置されており、見た目はこいのぼりに似ている。これを見ることで、現地の風の強さをある程度把握できる。
NEXCO東日本のウェブサイトによれば、吹き流しは風が強いほど真横になびく仕組みで、風速10m毎秒でおおよそ真横になるという。
この10m毎秒という風速は、車両が横風にあおられるレベルに相当する。運転時にはハンドルをしっかりと握り、車体が流されないよう注意する必要がある。
では、風速がそれ以上になるとどのような措置が取られるのか。北海道警察が2023年3月に公表した「高速自動車国道等における異常気象等発生時の交通規制要領の選定について」によると、以下のような段階的な対応がなされる。
・瞬間風速10~15m/sの場合…80km規制
・瞬間風速15~20m/sの場合…50km規制
・瞬間風速20m/s以上の時…通行止め
高速道路の最低速度は時速50kmとされているため、瞬間風速が20m/s未満であれば通行は可能である。ただし、車種や車高などによって風の影響を受けやすい場合があり、安全運転をより強く意識する必要がある。