超難所「青崩峠」に奇跡のトンネル完成! 中京経済圏、名古屋一強から三河港中心へ大変貌の序章か? 戦国武将も阻んだ壁を考える
静岡と長野を結ぶ青崩峠トンネルは、地質的な壁を突破し、三遠南信道の開通を現実のものとした。これにより、三河港と信州地方が直結し、物流と経済の流れに大きな変革をもたらす可能性がある。新たな道路網の構築は、地域経済にどのような影響を与えるのか、未来を見据えた交通改革のカギとなる。
中央構造線を交差する交通ルート

三遠南信自動車道は、長野県飯田市と静岡県浜松市を結ぶ高規格幹線道路である。21世紀の現代に計画が進められており、「E69」の高速道路ナンバリングもすでに付与されている。
具体的には、中央自動車道の飯田山本インターチェンジ(IC)から新東名高速道路の浜松いなさジャンクション(JCT)まで、全長およそ100kmの区間を指す。浜松市から新城市にかけての地域は現在でも「遠州三河」と呼ばれており、そこから信州南部の玄関口である飯田市と直結するルートを構築するのが本プロジェクトの狙いである。
ただし、遠州と信州を直結させるには、中央構造線を横断する必要がある。青崩峠トンネルは、その地質的な壁を突破する構想として位置づけられる。日本の交通史においても、きわめて画期的かつ象徴的なインフラといえる。