大阪メトロ「顔認証経済圏」の衝撃! さらば財布! 20代の3~4割が実践する“持たない生活” とは
現金離れが進む中、「財布レス派」がついに4人にひとりに到達。小型化する決済手段は、長財布を手放した高齢者にも波及し、顔認証改札や無人決済店舗の登場が、パスケースすら不要な時代を現実にしつつある。
非接触時代の主役交代

キャッシュレス社会が進んで、持ち歩くものが少なくなっている。鍵や財布などは、スマートフォンやウェアラブル端末に取って代わられてきた。その先には、こうしたデバイスすら不要になるゼロ携行時代が来るかもしれない。この変化を進めているのが、顔認証などの生体認証技術の導入だ。
大阪メトロの改札に導入された顔認証システムは、単なる改良ではない。都市の移動の仕組みそのものを変える力がある。個人の識別と支払いが一つになり、しかも物理的なデバイスがいらなくなると、移動のときにかかっていた認証コストや所持コストがほとんどなくなる。これまでICカードやスマートフォンがやっていたことは、ユーザーの存在そのものに変わることになる。
この変化が進むと、改札の形や数も見直されるだろう。駅ナカの店舗の決済端末も変わる。改札と店舗を分けていた境界がなくなり、駅そのものが変わる可能性がある。駅は、「証された人の移動の場所として再定義されるだろう。移動、買い物、通過の行動を分けていた仕切りは、顔のデータ一つでなくなる未来が近づいている。
この変化は、都市の働き方にも影響を与える。
・改札係員
・駅の売店のレジ担当
・券売機の保守スタッフ
などの職業はなくなるかもしれない。これにより、人件費や設備のコストが減る。駅が過剰に広かったり、設備が多かったりする都市鉄道では、大きな見直しのチャンスになる。乗降客の滞在時間が短くなれば、駅の導線設計も変わる。これからは、効率的な駅の作り方が求められるだろう。