黒字化まで19年! 大江戸線延伸「採算神話」の正体とは? なぜ練馬区が実現に近づけたのか?

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東京都が2040年の開業を目指す大江戸線延伸計画が、いよいよ実現段階に突入した。光が丘~大泉学園町の区間は、B/C2.1・NPV500億円超と高採算が見込まれ、練馬区は110億円の基金や都市改造で着実に布石を打つ。停滞から一転、地域主導のインフラ整備が動き出した。

市区町村の常識覆す先行投資

積み立て状況(画像:練馬区)
積み立て状況(画像:練馬区)

 このように、長年停滞していた延伸計画が具体化に向かった背景には、練馬区による制度面・財政面での先行対応が大きく影響している。東京都や国の動きを待つのではなく、練馬区は早い段階から主体的に動いた。

 なかでも特筆すべきは、2011(平成23)年に制定された「練馬区大江戸線延伸推進基金条例」だ。この条例により、区は一般会計からの積み立てを制度化した。延伸に特化した基金を創設し、事業決定後に資金を確保するのではなく、いつでも対応できるよう先に体制を整えた。極めて先進的な取り組みである。この基金は、条例上の目的が明確に定められている。

「都営大江戸線の光が丘駅から大泉学園町方面への延伸に資するため」

という条文がある。他の用途には流用できない専用基金として設計されている。単なる予算措置ではなく、延伸実現に向けた制度的な覚悟の表明といえる。

 基金の累積額は、2019年度で50億円に達した。現在は前述のとおり110億円にまで増えている。練馬区は、要望活動にとどまらず、毎年12億円程度を積み立ててきた。これは延伸に備える財源を自前で確保する姿勢の表れだ。

 通常、交通インフラの整備では、国や都道府県が中心となり、市区町村は土地提供や一部整備にとどまるケースが多い。そうした中で、練馬区がここまで主体的に取り組んできた事実は、延伸実現に向けた大きな後押しとなったことは間違いない。

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