「外国人の大群が家の周りを……」 香川県の小さな島にインバウンド殺到! 町営バス積み残し続出で、地元民もうんざり 是正策はあるのか?
「アートの島」として知られる香川県・直島に、瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)の開幕にあわせて訪日外国人観光客が押し寄せている。一方で、その急増に戸惑い、疲弊する住民も少なくない。
暮らしとの調和が課題に

直島は大正時代に三菱グループの銅精錬所が進出、住民の多くが香川県有数の給与で雇用され、豊かな時代を送った。精錬事業が低迷期に入ると、1970(昭和45)年に6000人を超えた町の人口が1980年代末に4000人台に減ったが、ベネッセグループがアートを前面に打ち出す観光開発を進め、息を吹き返した。
2003(平成15)年まで年間10万人以下だった観光入込客は、施設の充実とともに爆発的に増え、2024年は瀬戸芸がないにもかかわらず、約75万人が訪れた。「アートの聖地」というイメージが欧米で定着し、本村地区のカフェ従業員は
「客の9割が欧米の人たち」
という。直島町の人口は約2900人だが、移住者の急増が減少速度を抑えている。2015年度に36人しかいなかった移住者は、2022年度に104人まで増えた。2022年度まで5年間の移住者は20~30代中心の約500人。現在は空き家が枯渇し、移住待ちの人がいる人気ぶりだ。
本村地区は観光施設が集中する。1998年に家プロジェクト、2010年に瀬戸芸が始まって以来、観光客向けの民宿や飲食店も増えた。住民は当初、観光客に好意的だったが、訪日客が増えるにともなって微妙な空気が流れている。
・ごみの増加
・敷地内への侵入
・町営バスの積み残し
など暮らしへの影響があるからだ。本村地区の女性は
「外国人の大群が家の周りをうろつくのは気になるし、言葉も通じない。観光シーズンは常に施錠し、観光施設を避けて通るようにしている」
とうんざりした表情を見せた。
直島ではアート観光がなくてはならない存在になったが、島はテーマパークではない。訪日客が殺到するなか、どうやって住民の暮らしと調和を図るのか、もうひと工夫しなければならない時期に来ているように見えた。