就航遅れる大分のホーバークラフト――何が問題となっているのか? 事故多発、トイレ問題、そして「速さ」の代償とは

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大分空港と市内を結ぶホーバークラフトの就航が遅れている。2024年11月から遊覧運航は始まったが、接触事故や運航基準の厳格化で本格運行は未だ見通せず。特に、トイレ問題や安定運航の課題が浮き彫りとなり、期待される交通革命が先送りとなっている。

相次ぐ「接触事故」問題

大分空港のホーバークラフトターミナル「ホボッタ」に停泊する3番船「Tanso(淡窓)」。風の影響を受けやすいホーバークラフトゆえ、衝突防止のためゴムタイヤ等で造られたクッションが設置された(画像:若杉優貴)
大分空港のホーバークラフトターミナル「ホボッタ」に停泊する3番船「Tanso(淡窓)」。風の影響を受けやすいホーバークラフトゆえ、衝突防止のためゴムタイヤ等で造られたクッションが設置された(画像:若杉優貴)

 では、なぜ大分空港と市内を結ぶ本格就航が遅れているのか。その理由のひとつが、試運航中に事故が多発したことにある。

 ホーバークラフトは構造が特殊で、操船が難しいとされる。2025年4月までに、大分県内で7回、英国で1回の事故が発生した。英国での事故は、ファンの動作確認中に破損したものだった。合計8件の事故が確認されている。

 いずれも、事故防止用のフェンスやクッション材に衝突する程度の軽微な接触がほとんどだ。試運航であることを踏まえれば、一定のリスクは想定内といえる。

 しかし、2024年11月に別府湾での遊覧航行が始まったあとも、乗客を乗せていない状態であったものの試運航中に接触事故が発生。この影響による遊覧航行の運休も相次いだ。さらに、同年11月には軽微な接触事故を申告していなかったとして、船長らが船員法違反の疑いで書類送検された。2025年3月には、前年の試運航中に乗員が負傷した事故を受け、船長が業務上過失傷害容疑で書類送検されている。

 取材によれば、こうした一連の事故を受けて、本格就航を待たずに離職した運航関係者もいるという。

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