なぜホンダは「中国」で失速したのか? 24年30%減! EV戦略、値引き競争、そしてBYDの壁! 日系メーカーが直面する「変革の痛み」とは

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中国自動車市場は、2024年に生産台数3128万2000台、販売台数3143万6000台を記録し、NEV(新エネルギー車)が40.9%を占めるなど成長を続けている。しかし、日系メーカーは販売台数減少に苦しみ、特にホンダは前年比30.9%減の85万2269台を記録。現地企業との提携強化やEV戦略の再構築が急務だ。

世界最大市場の覇者争い

ホンダのロゴマーク。2022年11月8日撮影(画像:AFP=時事)
ホンダのロゴマーク。2022年11月8日撮影(画像:AFP=時事)

 中国の自動車市場は、いまや世界最大の規模に成長した。経済成長の減速が指摘されるなかでも、自動車市場の勢いは衰えていない。

 中国自動車工業協会(CAAM)が2025年1月に発表した統計によれば、2024年の生産台数は前年比3.7%増の3128万2000台、販売台数は4.5%増の3143万6000台となった。国家や地方政府による買い換え推進政策に加え、メーカーの販売促進策が奏功したとみられる。

 とりわけ存在感を一段と強めているのが、新エネルギー車(NEV)である。NEVとは、ガソリンやディーゼルなどの化石燃料を使わない、あるいは使用量を大幅に抑えた次世代車を指す。中国では2009年以降、電気を主な動力源とする自動車を普及させる目的で、このカテゴリーを「NEV」として一本化した。

 NEVには主に三つのタイプがある。ひとつはバッテリー電気自動車(BEV)。これはエンジンを持たず、電気のみで走行する完全な電動車であり、テスラやBYDが代表的なメーカーとされる。次に、プラグインハイブリッド車(PHV)。エンジンとバッテリーを併用し、外部充電が可能で、一定の距離までは電気のみでの走行が可能だ。そして、燃料電池車(FCV)は、水素と酸素の化学反応によって発電し、その電力で走行する仕組みを持つ。インフラ整備の遅れが課題とされるが、長距離移動や大型車両との相性がよいとされている。

 中国ではこのNEVを環境対策や産業育成の柱と位置づけ、政府主導で巨額の補助金や政策支援が行われてきた。結果として、中国はNEVの生産・販売ともに世界トップの座を築いている。NEVは単なる環境技術ではなく、国を挙げた産業戦略の象徴でもある。

 販売台数の内訳を見ると、乗用車は2756万3000台で前年比5.8%増。一方、商用車は387万3000台で3.9%減となった。そのなかでNEVは1286万6000台を占め、前年比35.5%の増加となった。全体の販売に占める比率は40.9%に達している。

 NEV市場の拡大とともに、中国メーカーの存在感も際立っている。2024年の乗用車販売における中国ブランドのシェアは65.2%。ドイツ系の14.6%、日系の11.2%、米国系の6.4%を大きく上回った。

 こうした環境下で、中国市場の攻略を狙う日系大手の間でも、成果に明暗が出ている。2025年3月の新車販売台数は、トヨタが前年同月比17.3%増の15万5100台と伸長。一方でホンダは8.8%減の5万5130台、日産は25.9%減の4万4409台にとどまった。ホンダは14か月連続、日産は12か月連続で前年実績を下回っている。

 なかでもホンダは、中国市場で長年の実績を持つメーカーである。現地企業と設立した広汽ホンダ、東風ホンダの2社を通じて製造と販売を展開してきた。サービス体制の構築にも早期から取り組み、ユーザーからの信頼も厚いとされてきた。

 それほどのホンダでさえ、新エネルギー車の台頭がもたらす市場再編の波に、いま呑み込まれようとしている。

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