なぜホンダは「中国」で失速したのか? 24年30%減! EV戦略、値引き競争、そしてBYDの壁! 日系メーカーが直面する「変革の痛み」とは
日系メーカー、短期回復と引き換えのリスク

ホンダは若年層へのブランド浸透を目指し、Bilibiliや抖音(中国版TikTok)などの動画プラットフォームを活用したマーケティングを展開している。
例えば、Bilibiliの広汽本田のページでは、最新モデル「広汽Honda P7」やアコード25周年記念などをテーマにしたショート動画が中心となっている。また、「神秘紫」や「銀河紫」といったビジュアル重視のカラーネームを強調し、審美的・感性訴求型のプロモーションも行っている。「外出都市安全」や「女王也好 皇子也好」など、SNS的なミーム化を狙った言葉も多く使用されている。これらの戦略から、ホンダが中国市場のユーザーをよく理解していることがうかがえる。
それにもかかわらず、販売台数は伸び悩んでいる。その要因のひとつとして、大幅な値引き戦略が挙げられる。『新京報』(2024年6月16日付)によると、ホンダをはじめとする日系メーカーが、中国市場で値引きを強化していることが報じられている。複数の店舗では、3~6万元の値引きが行われているという。
「北京市周辺地域のある一汽トヨタの4S店の販売員は記者に対して、「現在、当店では複数の人気車種について、さまざまな金額の現金値引きを行っている。例えば、カローラは3万元、アバロンは4万元、RAV4は3.5万元の割引となっており、さらに契約の際には追加の値引き交渉も可能です」と語った。また、同地域の広汽トヨタ4S店の販売員も「当店でも割引幅はかなり大きくなっており、例えばハイランダーは約6万元、カムリも約3万元の割引があります」と述べた。その上で、「値引き幅を拡大したことで、来店して車を見に来るお客様の数は明らかに増加しました。しかし一方で、一部の消費者は“今買っても、さらに値下がりするのではないか”と考え、様子見の姿勢を取っています」とも付け加えている。(4S店とは中国における正規ディーラー店舗のこと)」
この記事はトヨタに関するものだが、ホンダでも同様の値引きが行われている。日系各社は短期的な販売回復を急ぐあまり、長期的なブランド信頼を損ねるリスクを高めている。