なぜホンダは「中国」で失速したのか? 24年30%減! EV戦略、値引き競争、そしてBYDの壁! 日系メーカーが直面する「変革の痛み」とは
BYDの強みとホンダの戦略転換

ホンダが伸び悩む一方で、勢力を拡大しているのがBYDだ。日本国内ではいまだ懐疑的な見方も根強いが、中国市場での人気は圧倒的である。中国EV大手のBYDは、国内だけで383万台を販売した。この数字は、日産とホンダの合計を上回っている。
BYDの人気は、単なる価格競争力だけによるものではない。技術、製品、そして市場戦略の3軸すべてで、他社を凌駕する構造的な強さを持っている。例えば、独自開発の「ブレードバッテリー」は、安全性と航続距離の両立を実現した。自社製の駆動システムも、電力効率の面で優位性を発揮している。さらに、低価格帯から高級ラインまで幅広い車種をそろえ、多様なユーザー層に応えている。また、世界各国への輸出実績も、中国国内ユーザーからの信頼につながっている。
一方、ホンダも電動化の波に対応しようとしている。中国市場向けに独自のEVブランド戦略を打ち出した。東風本田と広汽本田のふたつの合弁会社を通じて、「e:Nシリーズ」および新ブランド「燁(イエ)シリーズ」を立ち上げた。2027年までに10車種のEV投入を計画し、2030年以降はEV専売への移行を目指している。
この方針に沿って、ホンダは広州のエンジン工場の生産能力を半減。一方で、広州と武漢にはEV専用工場を新設し、年間24万台のEV生産体制を構築しつつある。だが、その戦略とは裏腹に、現時点でのEV販売実績は厳しい状況にある。『極速小子』(2025年3月8日付)によると、2024年1月時点での販売台数は、e:NS1が943台、e:NP1に至ってはわずか23台にとどまった。中国メーカーとの差は大きい。同記事では、販売低迷の理由についても触れており、次のように分析している。
「さらに重要なのは、日系ブランドが純電動車市場において“爆款”(大ヒット)となり得る製品を欠いていることである」
実に、今ホンダは生産体制だけではない抜本的刷新が求められているといえるだろう。