20年で最悪の危機? 沈みゆく「中古車市場」 登録車0.8%増も過去“ワースト3” 背景にある構造的要因とは?
登録車363万台、20年で“下から3番目”――。中古車市場は今、供給減・輸出増・購買意欲の低下という三重苦に直面している。数量至上から価値重視へ。慣性の経済から意思の経済への転換が迫られている。
2年連続増も見えぬ底力

日本自動車販売協会連合会(自販連)および全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が2025年4月10日に発表したデータによれば、中古車の登録・届け出台数は前年度比0.3%増の646万7884台。2023年度に続く2年連続の増加だ。しかし油断はできない。
登録車は、過去最低を記録した
・2022年度:347万5232台
・2023年度:360万4871台
に次ぐ水準であり、今期も363万3879台(0.8%増)と低空飛行を続けている。直近20年間という長期スパンで見れば、これは下から3番目、ワースト3である。
3月単月の成績に目を向ければ、登録車は前年同月比2.9%減の40万9574台で過去最低を更新するなど、回復の兆しは乏しい。
この乏しさには、表面的な数では見えてこない、いくつもの構造的要因が絡み合っている。本稿では、その表面の水面下に渦巻く、複雑な因果と構造の網の目をほどいていく。