20年で最悪の危機? 沈みゆく「中古車市場」 登録車0.8%増も過去“ワースト3” 背景にある構造的要因とは?
登録車363万台、20年で“下から3番目”――。中古車市場は今、供給減・輸出増・購買意欲の低下という三重苦に直面している。数量至上から価値重視へ。慣性の経済から意思の経済への転換が迫られている。
右ハンドル特需が招く国内枯渇

次に注目すべきは、国内市場における需給の不均衡を生み出している、輸出の増加である。特にアジア・中東諸国を中心とした右ハンドル需要の高まりにより、状態の良い中古車は国内での再流通よりも海外輸出に回る傾向が強まっている。
中古車競売大手のユー・エス・エスの3月オークションデータによれば、出品台数は6か月連続で増加(9.2%増)。平均落札価格は17か月連続で上昇しており(1.5%増)、国内業者の仕入れコストも高騰している。これは国内販売事業者にとっては仕入れリスクの増加を意味し、販売価格に転嫁できなければ収益圧迫、価格転嫁すれば消費者離れというジレンマを抱える。
この良質在庫の海外流出は、国内の中古車ユーザーにとって明確な選択肢の劣化を意味する。選択肢が減れば購買意欲も低下する。低下した購買意欲は、価格を下げる圧力となり、結果として業界全体の価値創造を損なう。