なぜ新大阪駅は再開発されるのか? リニア・北陸新幹線で「大阪ツートップ」を目指す! 60年目の大改造、「迷路」からの脱却なるか
大阪府市は、新大阪駅(大阪市淀川区)周辺の新しいまちづくり方針をまとめた。リニア中央新幹線の延伸などを見越して、駅周辺を抜本的に変える構想だ。これにより、新大阪の新都心化が始まる。
新大阪駅の拠点化へ新たなまちづくり方針

そんな新大阪駅の現状を変えようとする新しいまちづくり方針が、大阪市役所で開かれた新大阪駅周辺地域まちづくり検討部会で決まった。部会には、内閣府や国土交通省、鉄道事業者、経済団体の関係者、学識経験者も出席し、大阪府市が提出した素案を了承した。
新方針は、新大阪駅周辺が2022年に都市再生緊急整備地域に指定され、北陸新幹線延伸で新駅の位置案が新大阪駅南側と示されたことなどを加えて旧方針を更新し、阪急電鉄十三駅(淀川区)、淡路駅(東淀川区)周辺のエリア計画を新たに含めている。
新大阪駅は1964(昭和39)年の開業以来、大阪の玄関口になってきた。現在も新幹線や在来線、地下鉄の5路線があり、北陸や山陰、南紀などへ向かう特急も乗り入れるが、大阪都心部のJR大阪駅、大阪メトロ梅田駅(ともに北区)まではJR京都線や大阪メトロ御堂筋線で4~6分の位置。新幹線で到着した観光客やビジネス客の多くが素通りしている。
新方針では新大阪駅周辺に国内外から集まる人の交流施設や観光施設、商業施設などを整備し、西日本を引っ張る拠点にすることを目指している。想定する再整備の完了時期は20~30年後。東京都港区から名古屋市を通って整備されるリニア中央新幹線、福井県敦賀市から京都市を経由して延伸する北陸新幹線の終着駅になることを意識した計画だ。
地下に北陸新幹線の駅設置案が提示された新大阪駅南側広場に広域交通結節拠点の整備、山陽新幹線高架北側に新大阪駅と十三駅を結ぶ阪急電鉄の新大阪連絡線駅の設置が盛り込まれたほか、駅利用者が歩きたくなる街の形成を目標に掲げた。さらに、都市再生緊急整備地域内では複数の民間まちづくり組織が再開発を視野に動き始めている。