飛行機vs新幹線 「速さ」で勝負? ANAが挑む物流改革、離島物流の未来を切り開くのはどちらだ? 五島列島鮮魚当日配送を考える

キーワード :
, ,
ANAが空輸を活用し、離島で朝に獲れた鮮魚をその日のうちに店頭で販売する取り組みを始めた。背景には、陸路物流が直面する「2024年問題」がある。

空輸で拓く鮮魚販路拡大策

スピード輸送(空輸)イメージ(画像:ANA長崎支店)
スピード輸送(空輸)イメージ(画像:ANA長崎支店)

 ANA長崎支店は2024年9月、カスミ(茨城県つくば市)が運営する首都圏のスーパーカスミ「BLΛNDE(ブランデ)」3店舗で開催された「長崎県・五島列島フェア」において、長崎県・五島列島の朝締め鮮魚を当日中に店頭販売した。続いて2025年1月には、同じく「BLΛNDE」4店舗で実施された「長崎県フェア」において、朝獲れの天然鮮魚を当日販売している。

 これらの取り組みは、ANAホールディングスと長崎県が2023年2月に締結した連携協定に基づくもの。ANAの空輸を活用し、県産品の販路拡大を目指す取り組みの一環となっている。

 五島列島の鮮魚以外にも、ANAあきんど長崎支店は2025年2月19日、高級柑橘「麗紅」を北海道のセイコーマートで販売する施策を展開した。ただし、離島からの当日輸送としては、五島列島の事例が初となる。販売当日には、

・ケンサキイカ
・かんぱち
・いさき
・真鯛

などの朝獲れ鮮魚に加え、「天然ぶり熟成生ハム」や「揚げかまぼこ」などの加工品も提供。一部店舗では、ANAの客室乗務員が商品の魅力を来店客に直接伝える取り組みも行った。

 ANAグループでは、長崎支店以外でも同様の取り組みを展開している。直近では、金沢支店が石川県能登町の宇出津港で水揚げされた鮮魚を能登空港から羽田空港へ輸送。魚力(東京都立川市)が首都圏3店舗で2025年3月7日に開催した「能登応援フェア」への協力も行っている。

全てのコメントを見る