神戸が「オワコン」なんて誰が言ったんだよ(怒)

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神戸市は衰退しているという説に反論する。人口減少が進む中、中心部の人口は微増し、健全な財政と再開発の進展が都市の未来を支える。震災からの復興を経て、再生計画に注力する神戸市の現状と課題を探る。

タワマン抑制の都市戦略

神戸市(画像:写真AC)
神戸市(画像:写真AC)

 こうした安定した財政基盤を活かし、神戸市は中心市街地の再開発を着実に進めている。

 三宮エリアでは、バスターミナル整備を核とした超高層複合ビルの建設が進んでいる。再開発事業は着々と進行中であり、新たな大規模債務を抱えることなく都市更新を実現している。ちなみに、神戸をよく知らない人のために補足しておくと、地名は「三宮」だが、JRの駅名は「三ノ宮」である。

 神戸市の都市開発のなかでも特に注目されるのが、2020年に全国で初めて導入された「タワーマンション新規建設の抑制策」だ。同年7月から、三宮駅周辺エリアでは住宅の新築を禁止した。さらに、新神戸駅や元町駅周辺の商業地域では、容積率の上限を400%に制限。これにより、事実上タワーマンションの建築ができない状況をつくっている。

 一方で、神戸市はニュータウンの再生にも取り組んでいる。

・名谷駅(須磨区)
・西神中央駅(西区)
・JR垂水駅(垂水区)

といった3駅周辺で、市有地を活用し、民間によるマンション開発を促進している。併せて、図書館、子育て支援施設、商業施設などの整備も進めている。リフォームへの補助や、住宅地での店舗出店支援といった施策も実施。中心部と郊外のバランスある発展を目指している。

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