神戸が「オワコン」なんて誰が言ったんだよ(怒)
神戸市は衰退しているという説に反論する。人口減少が進む中、中心部の人口は微増し、健全な財政と再開発の進展が都市の未来を支える。震災からの復興を経て、再生計画に注力する神戸市の現状と課題を探る。
「オールド化」するニュータウン

兵庫県が公表した「兵庫県の人口の動き2024年1月~12月」によれば、2025年1月1日現在の神戸市の人口は149万896人である。各区の人口増減率は以下の通りだ。
●人口が増えた区
・中央区:+713人
・兵庫区:+677人
・灘区:+71人
●人口が減った区
・西区:-2292人
・北区:-1956人
神戸市全体では人口が減少しているといわれているが、実際に減少しているのは
「郊外のニュータウン」
だけだ。一方、神戸市の中心部、特に六甲山を望むエリアでは、人口が微増している。
神戸市の今後の人口動向を見ても、偏在化が進むことが予想される。2020年から2050年にかけて、北区では人口が約4割減少すると予測されているのに対し、中央区では微増が予想されている。この現状は、神戸市衰退論に対する重要な反証となるだろう。実際には、神戸市全体が衰退しているわけではなく、ニュータウンエリアだけが顕著に衰退しているのだ。
神戸市は昭和30年代から丘陵地を住宅地として開発し、その土砂を臨海部の埋め立てに活用した。昭和40年代には、団塊世代の住宅需要を背景にニュータウンの開発が進んだ。これらのニュータウンは、大阪や三宮への通勤圏としての立地や、庭付き一戸建ての住環境が評価され、非常に人気があった。しかし、入居した住民によって作られた均質なコミュニティは、高齢化が進むにつれて地域の活力を低下させていった。
兵庫県が2016年にまとめた「兵庫県ニュータウン再生ガイドライン」によると、開発から30年以上経過した大規模ニュータウンは約7割(63地区)を占め、そのうち約6割(55地区)が人口減少または高齢化が進んでいる。このことから、ニュータウンの多くが「オールドニュータウン化」していることがわかる。