神戸が「オワコン」なんて誰が言ったんだよ(怒)

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神戸市は衰退しているという説に反論する。人口減少が進む中、中心部の人口は微増し、健全な財政と再開発の進展が都市の未来を支える。震災からの復興を経て、再生計画に注力する神戸市の現状と課題を探る。

財政黒字が示す神戸市の底力

神戸市(画像:写真AC)
神戸市(画像:写真AC)

 この住宅地の二極化に加えて、神戸市は経済の面でもかつての勢いを失っている。とくに1995(平成7)年の阪神・淡路大震災の影響は大きかった。

 神戸の象徴である港湾機能は、かつての国際的地位を大きく後退させた。現在では、地域経済を支える役割へと変わっている。1980年の神戸港は、東京や横浜を上回る世界第4位のコンテナ取扱量を誇っていた。香港と並ぶアジアのハブ港としての地位を確立していた。

 しかし、1995年の震災で港湾は甚大な被害を受けた。機能が麻痺したことで、状況は一変する。復旧作業が続く間に、中国や韓国では船舶の大型化を見据えた港湾整備が進められた。中韓の港は広大な用地を武器に、効率化を加速させていった。一方、神戸港は都市部に隣接しており、拡張が難しかった。その結果、2022年のコンテナ取扱量で神戸港は世界72位にまで順位を落とした。

 こうした状況だけを見ると、神戸は産業基盤も縮小し、衰退の道をたどっているように見えるかもしれない。だが、現実はまったく異なる。神戸市が2025年2月に発表した2025年度予算案では、一般会計が

「1兆59億円」

に達した。20年ぶりに1兆円の大台を突破した。特別会計などを含めた総額も、20年ぶりに2兆円を超えた。これをもって

「衰退のなかで先の見えない投資に走っている」

と考えるのは早計だ。暗い話題ばかりが目立つ神戸市だが、実際には財政は驚くほど健全である。

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