名古屋が「オワコン」なんて誰が言ったんだよ(怒)
「名古屋オワコン論」を斬る!観光客3500万人超、消費額4887億円の巨大市場、名古屋。しかし、その魅力はまだ眠っている。本稿では、名古屋めし、歴史遺産、サブカルまで、多彩な観光資源を徹底解剖。なぜ名古屋は「通過点」なのか? 課題と可能性を検証し、都市ブランド戦略の未来を提示する。
都市ブランドの誤解と反論

インターネット上で「名古屋市はオワコン(終わったコンテンツ)だ」という意見が頻繁に見受けられる。最近、テレビ愛知が報じた「名古屋飛ばし」アーティストの増加が若年層の人口流出に繋がっているというニュースにも、名古屋市へのネガティブな意見が多く寄せられた。いくつかの意見を挙げてみよう。
・キラキラに憧れる層にとっては名古屋はあまり魅力的ではない
・日本の二大都市東京と大阪に適う事が無理
・名古屋は日本本土の中間に位置する大きな地方都市なだけ
このように、名古屋市はライブ公演の少なさに加えて、さまざまな面で魅力に欠ける都市として一部で認識されている。その証拠として、2018年に名古屋市が実施した都市ブランドイメージ調査では、名古屋市は全国8都市のなかで
「最も訪れたくない街」
として不名誉な結果となった。
だが、名古屋市は決して魅力を欠いた都市ではない。2021年度の経済成長率は+3.0%で、全国平均の+2.5%を上回っている。この経済成長は市民生活や都市インフラにも表れ、繁華街や文化施設は東京や大阪に匹敵する充実度を誇る。
名古屋市は本当に魅力に欠ける都市なのだろうか。筆者(キャリコット美由紀、観光経済ライター)は以前、三重県に住んでいた際に頻繁に名古屋市を訪れていた。その体験からも「名古屋市に魅力がない」という風評には全く賛同できない。
むしろ、名古屋市こそが今、成長の可能性を秘めた都市ではないかと思う。本稿ではその可能性と課題について詳しく述べていく。